ドゥカティ浜松
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こんにちは!
いろいろとお勉強していたらご紹介が遅くなってしまいましたが・・・
ご存知の方も多いかと思いますが2025年、PanigaleV4が大きく進化します!
とはいっても、エンジンに大きな変更がなかった事から皆様こう思っていないですか?
「デザインが変わるだけでしょう?」
「両持ちスイングアームになるだけじゃん?」
例えば1299PanigaleからPanigaleV4に変わった時はすごくわかりやすかったじゃないですか。
エンジンレイアウトがmotoGPとかなり近い!とか、逆回転クランクシャフト!とか、200馬力!とか・・・。
もうPanigaleV4になった2018年時点で「来るとこまで来たんだな」みたいな。だからその先の進化を想像することが難しくなったんですよね。技術の進歩が目覚ましすぎて、もう一般ライダーには「こうなったらいいのに」という発想を浮かべることすら難しくなってきた。(熱問題ぐらい)
だがしか~し!やっぱ最前線で戦っているドゥカティコルセのエンジニア達って本当に凄いです。常に”最高”を生み出し続けるってどんな頭してるんだろうって思いました。天才すぎます本当に。
今回私が注目した新型PanigaleV4の魅力は主に以下の4つ!
「剛性を最適化したシャーシ」
「カウリングとポジション編」
「業界初レーシングeCBS搭載、電子制御の性能向上」
ち!な!み!に!
今回エンジンについてはほぼ触れません。
1kg軽くなったとか1馬力上がったとかユーロ5+適合とか細かい変更点はありますが、驚愕するような変更点はないためV4のエンジンが気になる人は過去に私がアップしているエンジンのブログをチェックしてください。
https://ameblo.jp/ducatihamamatsu/entry-12547427275.html
バイクの構造や性能大好き人間の私、馬場には一度のブログでとても語り切れないので、何部門かに分けてブログにしたいと思います。
今回は「剛性を最適化したシャーシ(スイングアーム)」編です(‘◇’)ゞ
さて、両持ちのスイングアームになったことでファンをざわつかせたモデルイヤー2025年の新型PanigaleV4シリーズ。
不可能を可能にするのコンセプトのもと、アマチュアからプロライダーまで如何に幅広いライダーが速く走れるようになるかというのがこの車体。
この不可能を可能にするという言葉の通り、テストでランダムに集めたアマチュアライダーは2024年PanigaleV4や競合他社種で同じコースを走った時、2025年式PanigaleV4では平均して1秒のラップタイム更新をしました。
さて、その秘密の一端がシャーシの剛性です。
結論から言うと今回のPanigaleV4は”横方向の剛性”を従来比で減らしています。
剛性を減らすって弱くなったってこと??
という疑問に今からお答えしていきましょう。
まず剛性とは何ぞや?
ざっくりいうと、鉄金属などの頑丈さを表す言葉です。
フフフ、ここから物理のお話が始まりますよ(‘ω’)ノ大事なのは”結論どうなったか”なので、苦手な方は後半の「結論!」まで飛ばして読んでくださいネ。
鉄の”頑丈さ”を示すのは「剛性」と「強度」です。
剛性が高い鉄というのは、鉄のたわみにくさを言います。
剛性が低い鉄金属で有名なのはアルミですがアルミが柔らかそうなのはイメージしやすいですかね?
力を加えたとき、より形状の変化が少ないものが「剛性の高い材質」、多いものが「剛性の低い材質」となります。
参考:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01309/00001/?P=2
一方で、大きな負荷がかかるバイクのフレームやスイングアームには「強度」が必要です。
強度も頑丈さを表すものの一つで、強度というのは力をかけてたわんだ物質をもとに戻す力の事です。
世の中の鉄などの材質は、剛性が低く強度が高い材質か、剛性が高く強度が低い材質になりやすいです。
剛性の高い材質は力が加わるとポッキリと折れやすいイメージは何となく伝わりますかね?
私もあんまり詳しくないんですけど(-_-;)
つまりこんな感じです。
イメージですよ。イメージ。
強度や剛性など細かく数値化された情報は存じ上げないので、あくまでイメージです。必要な強度と剛性を保ったまま、剛性を弱くしましたと。
しかし、ひとえに剛性と言っても実は力の加わる”方向”があるので、どの方向の剛性をどのように設定するか、これもまた大事になってきます。
バイクには主に6軸方向に力が働いています。
上の画像昔つくった画像なんですけど、ピッチロールの矢印が非常に分かりにくいですねすみません。YAMAHAさんのブログがわかりやすいです。
これは6軸センサーについての解説なんですが(-_-;)https://global.yamaha-motor.com/jp/design_technology/technology/electronic/001/
ピッチは前後の、ヨーは横方向の、ロールはねじれの力の動きです。
例えばピッチの剛性が弱いと、加減速の時に車体が非常に不安定になります。そのためピッチの剛性は高いのが一般的です。
一方、横方向、ヨーの剛性は車体やタイヤに合わせて剛性の高さを設定する必要があります。
イメージしてみてください。
固い鉄にタイヤが2本ついている場合と、ある程度横方向にしなる鉄にタイヤが2本ついている場合、どちらがコーナリングでよりグリップするでしょうか。
固い鉄にタイヤが2本ついている方がスリップしやすいということは容易にイメージできますよね?
ということで結論!
今回のPanigaleV4はピッチとロール(ねじれ)の剛性はそのままに、ヨー(横方向)の剛性を減らしています。
これはスイングアームだけでなく、フロントフレームも同じです。
そしてこの横方向のねじれというのは、横方向からかかる力をうまくいなしてくれるためハイサイドなどの挙動も防ぐことが出来、かつプロのライダーにとってはバイクの挙動がつかみやすく転倒する前に限界を察知しやすくなるのだとか。
今回横方向の剛性を減らす理由の一端には、進化したタイヤのグリップを最大限引き出すためというのもあります。
安定したグリップにより、ライダーはより深いバンク角を取ることが出来、ブレーキングポイントはより奥で遅く、コーナリング後はバイクが傾いている状態からの加速でもスリップの心配が減り安定した加速が可能になりました。
この適切な強度と剛性を設定する為には両持ちスイングアームの方がより優れた数値を出すことが出来た、今回のPanigale両持ちスイングアーム化にはそんな理由があったんですね。
近年、タイヤのグリップ力も向上し、車体にかかる様々な負荷が変化してきています。昔は短いホイールベースに高い剛性で直進安定性を持たせる方法が主流でしたが、今はハイパワー化しホイールベースを伸ばし直進安定性を持たせる一方で、前後のタイヤの挙動に合わせて剛性を減らし適度に車体をしならせ適切に負荷を逃がしグリップ力を高める方向になりました。
ドゥカティは開発段階で新型の片持ちスイングアームを搭載し、今の技術力で実現できる限り最高の片持ちスイングアームと最高の両持ちスイングアーム、両方でテストを行った結果両持ちスイングアームの方が良い結果を得られた為、今回の両持ちスイングアーム採用に至ったそうです。
今回のモデルチェンジにより、フレームの横方向の剛性が40%、スイングアームの横方向の剛性が37%減となっております。
まとめ!
両持ちスイングアームによって下記のようなメリットが(‘ω’)ノ
◎バイクとの一体感が増した
◎アクスル間の接続が強化されたことで、コーナーを抜ける時の振動が減り、安定感が増し、自信をもってコーナーを攻められるように
◎グリップが増し狙ったラインをなぞりやすい
◎タイヤを消耗しても最大限のトラクションを発揮できる
◎深いバンク角でも今までより負荷を吸収し、タイヤのグリップが最大化されコーナリング速度が上がり、同じ技術でも従来のPanigaleに比べ深くバンク出来るように。
さて、シャーシ編はここまでです。
長々としたこのブログを最後までお読みいただきありがとうございますm(__)m
次回は空力、カウリング、デザイン編に続きます(^^♪